研究室員募集
2025年度 大学院生・学部学生募集
生命医科学専攻修士課程(医科学修士、医学修士)・医科学専攻博士課程
大学院生はTA, RAのいずれかで、経済的にバックアップされます。
国内海外学会において発表する場合は、研究費から旅費のサポートを受けることができます。
研究テーマ
静脈内投与で血液脳関門(BBB)を通り抜け、脳のさまざまな細胞種特異的への遺伝子発現を可能にするAAVベクターの開発
これまでに齧歯類、マーモセットの脳の細胞種特異的に遺伝子発現を可能にするAAVベクターの開発を行い、in vivoで汎ニューロン、興奮性ニューロン、抑制性ニューロン、小脳プルキンエ細胞(ref. 1)アストロサイト、ミクログリア(ref. 2)特異的な遺伝子発現が可能になっています。ただ抑制性ニューロン特異的プロモーターは2.5kbと長くプロモーター活性が弱い、またミクログリア特異的AAVベクターは、大脳皮質では3週間するとニューロンでも遺伝子発現が見られるなど、改良すべき点があり、これらをテーマに大学院生が研究を進めています。またAAV9カプシド以外のBBB透過型カプシド変異体(ref. 3)や非ヒト霊長類のBBBを効率的に透過するAAVベクターなど、さまざまなAAVベクターの開発を行っています。
- Nitta K, Matsuzaki Y, Konno A, Hirai H
Minimal Purkinje Cell-Specific PCP2/L7 Promoter Virally Available for Rodents and Non-human Primates.
Mol Ther Methods Clin Dev. 2017 Jul 27;6:159-170. - Okada Y, Hosoi N, Matsuzaki Y, Fukai Y, Hiraga A, Nakai J, Nitta K, Shinohara Y, Konno A, Hirai H.
Development of microglia-targeting adeno-associated viral vectors as tools to study microglial behavior in vivo.
Commun Biol. 2022 Nov 11;5(1):1224. doi: 10.1038/s42003-022-04200-3. - Kawabata H, Konno A, Matsuzaki Y, Hirai H.
A blood-brain barrier-penetrating AAV2 mutant created by a brain microvasculature endothelial cell-targeted AAV2 variant.
Mol Ther Methods Clin Dev. 2023 Mar 2;29:81-92. doi: 10.1016/j.omtm.2023.02.016. eCollection 2023 Jun 8.
シナプス可塑性、シナプス形成など脳の発達、記憶・学習機構の研究
AAVベクターとパッチクランプ、行動実験を駆使して、脳の生理機能解明研究を行っています。
- Watanave M, Takahashi N, Hosoi N, Konno A, Yamamoto H, Yasui H, Kawachi M, Horii T, Matsuzaki Y, Hatada I, Hirai H.
Protein kinase Cγ in cerebellar Purkinje cells regulates Ca 2+-activated large-conductance K + channels and motor coordination
Proc Natl Acad Sci U S A. 2022 Feb 15;119(7):e2113336119. doi: 10.1073/pnas.2113336119. - Hirai H, Fukai Y, Konno A, Hosoi N.
Electrophysiological and Imaging Analysis of GFP-Tagged Protein Kinase C γ Translocation in Cerebellar Purkinje Cells.
Cerebellum. 2022 Oct;21(5):776-783. doi: 10.1007/s12311-022-01384-6. Epub 2022 Feb 26.
神経変性疾患、精神疾患の病態解明と遺伝子治療法の開発
遺伝子改変マウス、マーモセットを用いて、神経疾患の病態解明、及びAAVベクターを用いた遺伝子治療法の開発を行っています。
入学試験日程(詳細はお問い合わせください。)
医科学修士(医学修士)
<募集情報>
出願受付:2024年8月中旬
試験期日:2024年9月上旬
合格発表:2024年9月下旬
※筆記試験としての外国語試験が外部検定試験に変更されました。出願に際して外部検定試験の成績の提出が必要となります。
詳細はこちらをご覧ください。
https://www.med.gunma-u.ac.jp/graduate/biomed
博士課程
出願受付:2024年8月中旬
試験期日:2024年9月上旬
合格発表:2024年9月下旬
※筆記試験としての外国語試験が外部検定試験に変更されました。出願に際して外部検定試験の成績の提出が必要となります。 詳細はこちらをご覧ください。 https://www.med.gunma-u.ac.jp/graduate/med
当研究室の雰囲気
>> その他の画像は【Gallery】ページをご覧ください。
前橋市と群馬大学医学部の紹介
群馬大学には神経科学関連の研究室が多く、科学研究費補助金の取得件数、金額は神経科学の分野で日本の5指に入ります。
前橋市は群馬県の中央、南側に位置し、人口は約34万人です。すぐ隣の高崎市が37万人ですので人口70万人を超える街に住んでいる感じがします。
東京駅から新幹線で50分の高崎には、2017年にバスケ、バレー、体操などの国際大会やコンサートが開かれる高崎アリーナがオープン、続いて2017年10月に約160ショップが集積する北関東エリア最大級のファッションビル高崎オーパ(OPA)がオープン、2019年9月には高崎芸術劇場がオープン、さらに2020年6月には群馬コンベンションセンター(Gメッセ群馬)が高崎駅東側に完成しました。
在来線で学割を使うと東京へは1,550円で行くことができます(高崎―新宿間:1時間45分)。
群馬大学医学部は県庁所在地である前橋市の昭和キャンパスにあります。昭和キャンパスには医学科と保健学科に加えて生体調節研究所があり、群馬大学の医学生物学研究はほぼすべてが昭和キャンパスで行われています。昭和キャンパスの面積は、16万平方メートルと広く落ち着いて研究に専念できます(キャンパスの写真)。
募集人材
大学院生(医科学修士)
出身学部は問いません。やる気のあることが最も大切な入学条件です。
大学院生(博士課程)
出身学部、これまでの経験は問いません。やる気のあることが最も大切な入学条件です。
学部学生
医学部学生の間から研究室に出入りし、その後、著名な教授になった人はたくさんいます。
しかし、それほどの意気込みは必要ではありません。少し勉強したい学部学生(医学科・保健学科)を募集しています。
見学歓迎。
大学院生のラボでの生活
(博士課程)
Weekly Progress(外国人留学生に対しては英語で行う)[脳神経科学セミナーⅠ]
毎週月曜 9:00~10:30
内容
- 前の週に得られた研究データを発表し,研究の進展状況と問題点を確認。
- 今後の実験計画についてディスカッションを行う。
- この機会を利用して,研究成果の発表準備,発表方法,質疑応答の際のポイント等について学ぶ。
Progress Report/ Journal Club(外国人留学生に対しては英語で行う)[脳神経科学セミナーⅠI]
毎週月曜 17:00~18:30
Progress Report(2~3か月に一度程度)
内容
- 2か月間で得られた研究成果をまとめて発表し、研究の進展状況と問題点を確認。
- 今後の実験計画についてディスカッションを行う。
Journal Club(3か月に一度程度)
内容
- 自分の興味のある最新英語論文を精読し、聴衆にわかりやすく説明する。
- 質疑に対して適切に応答できるように準備する。
- 必要に応じて先行文献も確認する。
- 自分の担当でないときは、当該分野の最新の動向を学ぶとともに、積極的な質疑の技術を習得する。
輪読会 [脳神経再生医学講義Ⅰ, II]
毎週火曜 17:00~18:00
内容
- 脳神経系の生理・病態に関する基礎及び最新の知識を習得することを目的とする。
- 神経科学のテキストを読み、内容について説明を加え、参加者でディスカッションを行う。
現在使用中のテキスト:ストール精神薬理学エセンシャルズ
過去に使用したテキスト:疼痛医学、よくわかるゲノム医学、ゲノム編集など
GUNSミーティング [脳神経科学セミナーⅠ, II]
毎月1度開催(全12回/年)17:00~18:00
内容
群馬大学、近隣大学の脳神経系の研究室が毎月順番でセミナーを担当する。
参加研究室:医学系研究科(脳神経再生医学、遺伝発達行動学、機能形態学、薬理学)、保健学研究科、情報学部、高崎健康福祉大学薬学部
研究指導 [脳神経再生医学実習]
(原則)毎週月曜〜金曜 9:00~18:00(他の講義やセミナーがある時間は除く)
目標:最低でもインパクトファクター5点以上の国際ジャーナルに掲載可能なレベルのデータを得ることを目指す。
- 学生ごとに興味に合った研究テーマを与える。テーマは主に電気生理学中心か、ウイルスベクター中心かの2つに分かれる。
- 研究テーマを遂行する上で必要となる実験手法を学ぶ。
内容
電気生理:神経シグナルの記録・解析に必要な電子工学技術,微小電極を用いた神経シグナルの記録法スライスパッチクランプ法,ニューロンとグリアの形態・機能連関の解析法,神経伝達物質受容体の遺伝子発現技術,単一ニューロンにおける受容体遺伝子発現の解析法など。
ウイルスベクター:遺伝子クローニング,細胞培養,アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)の設計・粒子作製及び精製,AAVの動物への投与,行動実験など。
個々の学生の研究テーマに関連する実験を進め,データ取得,データ解析,実験結果の学会でのポスター発表,口頭発表,英語論文作成のための指導を個別に行う。
修士課程
生命科学はポストゲノム時代に入り遺伝子レベルから個体を理解する研究が加速している。神経生理学は遺伝子レベルと個体の行動を結ぶ重要な位置にあるが、具体的にどのような神経生理学実験を行うことで遺伝子レベルから行動を理解できるのかを指導を行う。
脳神経系のバックグラウンドがない修士課程の学生に対しては、基礎の基礎から神経科学に関する講義を行う。また演習では具体的な実験計画の立案、研究プロトコールの作成についての実際的な指導を行う。
基礎知識習得勉強会 [生理機能解析学講義]
毎週木曜 17:00~18:00 全24回
脳神経系のバックグラウンドがない学生に対して、基礎の基礎から神経科学に関する講義を行う。
Progress Report/ Journal Club [脳神経再生医学研究特論]
毎週月曜 17:00~18:30
入学後の半年は発表免除。教員あるいは発表者が、論文中に出てくる用語や実験手法の解説を行うので、学生は内容の理解に努める。
内容
- 自分の興味のある最新英語論文を精読し、聴衆にわかりやすく説明する。
- 質疑に対して適切に応答できるように準備する。
- 必要に応じて先行文献も確認する。
- 自分の担当でないときは、当該分野の最新の動向を学ぶとともに、積極的な質疑の技術を習得する。
研究指導 [脳神経再生医学方法論演習]
(原則)毎週月曜〜金曜 9:00~18:00(他の講義やセミナーがある時間は除く)
内容
遺伝子改変マウスの遺伝子タイピングを含む維持繁殖、ウイルスベクターの設計・作製技術、分子生物学、細胞培養、マウスの行動実験、学術論文作成技術の指導など。
脳神経再生医学分野 教授 平井宏和
hirai■gunma-u.ac.jp (■は@に変えてください)